コインに表と裏があるように、どのようなことでもいい面・悪い面があるものです。
モンテッソーリ教育について
- 社会性・協調性が身につかない
- 運動不足になる
- 落ち着きのない子は向かない
このような口コミを見ることがありますが、はっきりいって間違いです!
私は、モンテッソーリトレーナー、幼稚園教諭歴6年、3人の子を育てる母ねっこと申します。ねっこのプロフィール
この記事を読むとモンテッソーリ教育の本当の真実、本当の対処法、本当のメリットが分かります。
モンテッソーリ教育って何?
まず、口コミの真実を説明する前に、簡単にモンテッソーリ教育はどんな教育かから説明します。
モンテッソーリ教育は、20世紀初めにイタリアのマリア・モンテッソーリが考案した教育法です。モンテッソーリ教育の土台となる考えに、すべての子どもたちには『自ら育つ力=自己教育力』が備わっているとういうものがあります。子どもたちは、毎日・毎分・毎秒自ら自立・自律に向かって成長しているのです。
モンテッソーリー教育の大切にしている子どもが主体として関わることを続けていくことで、以下のような数値化できない能力(非認知能力)が身に付き、いい人格を築いていけます。
- 意欲をもつ
- 思考する
- 選択する
- 想像する
- 周囲に思いやりを持つ
- 感情をコントロールする
また、モンテッソーリ教育は、生活にとても密接している活動が多く、ご自宅で自己教育力や非認知能力を育むことができます。それが、”おうちモンテ”というものです。
さらに詳しくモンテッソーリ教育やおうちモンテについて知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓
モンテッソーリ教育って何??【簡単に】おうちモンテを始める方法!
モンテッソーリ教育の真実5選
- 落ち着きのない子はモンテッソリー教育に向かない?
- 自由教育で社会性・協調性が育まれない?
- 室内の活動で運動量が減る?
- 使い方が決められた教具のため想像力が育まれない?
- 日本にある教育施設に限りがある。質はピンキリ?
①落ち着きのない子はモンテッソリー教育に向かない?
結論から言うとそんなことはありません。
本来モンテッソーリ教育は、合わない子はいないとされています。
よくモンテッソーリ教育=机に向かって活動をするイメージを持つ方が多いため、落ち着きのない我が子は無理だわと思われている方もいるようです。
ですが、自分の発達に合ったお仕事に出会い達成していく経験を積んでいくことで、少しずつ落ち着いた行動が取れるようになってくるのです。
②自由教育のため社会性・協調性が育まれない?
※自由教育(モンテソーリ教育)…自ら活動を見つけ心ゆくまで没頭して行う教育法
こちらも結論からいうと、そんなことはありません。このお話しをするときは、そもそも社会性・協調性とは何かというところから説明が必要になります。
一般的に考えられる社会性・協調性はというと、
- お友達と仲良く関わる
- 集団行動を取ることができる
- 和を乱していないかなど
このようなことが頭に浮かぶのではないでしょうか?
そのため、個人の活動が尊重されている自由教育のモンテッソーリ教育は、社会性や協調性が育たないと思われてしまうこともあるようです。
しかし、ここで押さえておかないといけないことは、幼児期は社会性のタネをまくときであること。社会性が十分に発揮されるようになるのは児童期からということです。
幼児期は、個を確立していく時期であり、個性が磨かれていくことで、周囲に働きかける(集団行動やお友達との関わり)ことが出来るようになるのです。
日本の教育は、管理型の教育と言われていて、全員が同じことをする、子どもがNOといえないなどの風潮が多く見られます。
管理をすることで確かに大人には扱いやすくなり都合がよくなります。ですが、そのような状況は本来の社会性とは違うと思うのです。
困っている人を助ける、ごめんねと謝るなど、本来の社会性は、内から自然発生的に湧き出るものです。
また、縦割り保育が行われているので、小さい子に譲る姿を見ることができたり。
自分のことは自分で行える環境になっているので、助け合う姿も見られます。
環境の配慮という分野では、お手伝いをするというものがあり、お手伝いを通して相手を思いやる気持ちも育まれます。
モンテッソーリ教育では、社会性・協調性が育たないと言われるのは全くの誤解なのです。
③室内の活動で運動量が減る?
モンテッソーリ教育と言われると椅子に向かって何か作業しているイメージをお持ちの方もいるようですが、それはごくごく一部の活動です。
モンテッソーリ教育では、体を動かすことも大切だと考えられています。園によってカリキュラムに違いはありますが、運動の時間や外での遊びを取り入れているところがほとんどです。
習い事でスポーツをやってみたり、家族で自然のある場所にお出かけ、家族でスポーツをするのもオススメです。
④専門の教具は使い方が決まっているので想像力が育まれない?
たしかに、科学的に考えられた教具は使い方が決められています。その理由としては、一定の事柄のスキルを獲得するためです。
使い方を決められていることで、自分自身で間違いに気付くことができるようになります。失敗を自分で気付くことで、じゃあどうしていったらよいか想像を膨らませて、仮説を立てながら試行錯誤するようになるのです。
また、キャラクターのおもちゃには見られない何度も何度も繰り返し行う姿(集中現象)もみられるため、想像力がどんどん育まれます。
⑤日本にある教育施設に限りがあり質はピンキリ。選ぶポイントはあるの?
子どもの家・モンテッソーリ幼稚園・保育園含めても全国で1000施設に満たないと言われています。これは、全幼稚園施設の2.5%に満たない数です。
園の数が少なく教育をなかなか受けられないこと。教育内容は園の裁量に委ねられているので保育の質に差があることが最大のデメリットです。
外部から、しっかりとしたモンテッソーリ教育を行っているのか完全に判断をするのは難しいですが、ある程度でしたら外からでも判断できる方法があります。
対策としては、以下のようなことを見てほしいです。
- モンテッソーリ教育の有資格者はいるか?
- 子どもたちを観察
- 子どもたちがキラキラした表情で遊んでいるか。
活動の際は真剣な表情をしているか(楽しい、自分にあった活動こそ真剣な表情をしている)
子どもたちの活動がちゃんと保障されているか。 - 先生たちを観察
- 外部の見学者にも、良い感じの対応ができない時点で、職員たちの職場環境はあまり良くない可能性がかなり高いです。
自分たちが満たされていない状態では、子どもを優しく見守り、サポートするような質の良い保育をすることは難しいからです。
モンテッソーリ教育のメリット5選
モンテッソーリ教育のメリット
- 個々に合った活動を行うことで個性が伸びる
- 自分のやりたい活動を思う存分できるので心が安定する
- 手先が器用になる
- 脳が鍛えられる|判断力・思考力・感情コントロールを育む
- 年齢に関係なく仲良くなることができる
①個々に合った活動を行うことで個性が伸びる
モンテッソーリ教育は、個々の発達段階に合った ※お仕事 を行う=適時教育。自ら活動を見つけ心ゆくまで没頭して行う=自由教育を行っています。
モンテッソーリ教育を行うことで、意欲を持ち取り組み、考え、選択し、自分で創造していくことで、個性を伸ばすことが出来るのです。
※お仕事…子どもたちの成長に欠かせない、スキルを身につける生産的な活動ということからお仕事と呼ばれています。
②自分のやりたい活動を思う存分できるので心が安定する
子どもが自ら見つけた成長段階に合った活動を思う存分行うことで、心も満たされます。
心が満たされると、生活が安定したり、周囲に優しく関わることができるように。それは、大人も一緒ですよね♪
③手先が器用になる
モンテッソーリ教育では、親指・人差し指・中指の3本の指=突出した脳と呼ぶほど、3本の指を動かすことを大切にしています。
そのため、様々な3本の指を使うお仕事が用意されており、手先が器用になっていくのです。
④脳が鍛えられる|意欲・思考・選び・創造・感情コントロール
3本の指をたくさん使うことで、脳の前の部分の前頭葉が鍛えられます。
この前頭葉は、3歳~10歳の時期に主に発達していく箇所です。この箇所は、以下のような役割を果たしています。
- 意欲を持つ
- 自分で考える
- 選ぶ
- 創造する
- 感情コントロール
ちなみに、0~3歳までは脳の後方にある後頭葉が発達していき、人間の原始的な活動を司っています。
算数の問題など次々に高度な問題を解かせると、この後頭葉が発達していきますが、後頭葉ばかりを使う活動はオススメできません。
- 後頭葉を鍛える活動を行い続けると…
- 言われないと動けない・常にぼぉーとしているなど、意欲をもち、自分で考え、選び、創造する力が育まれにくくなってしまいます。
無気力や指示待ちの様子は、塾やおけいこ事で追われている子にも共通して見られる様子なので注意が必要です。
⑤年齢に関係なく仲良くなることができる
モンテッソーリ教育は、縦割り保育をメインに活動しています。この縦割り保育というのは、異年齢が混ざって活動を行うものです。
ちなみに、一般的な幼稚園は同学年で活動を行う、横割保育を行っています。
モンテッソーリ園では、以下のようにクラスが分けられていることが多いです。
- 0歳~歩行ができるようになるまで(14ヶ月)
- 歩行完了~2歳半・3歳頃
- 2歳半・3歳頃~6歳
縦割り保育を行うことで以下のようなメリットがあります。
- 異年齢の友人とも関係を築くことができる
- 異年齢・個別教育のため比べるということが起こりにくい
- 年下年上関係なく教え教えられる場面が多数みられる
満足するまでお仕事をやり遂げることで、心が満たされたり、身支度などができるようになっていきます。
※自立・自律 の道を進んでいくことで、今度は周りに興味関心が生まれ、配慮ができるようになるからです。
大切なことは、その子自信がぴったりだと思うお仕事を自分で見つけられるように、周囲が働きかけることです。
- ※自立
- 自分のことが自分でできるようになること
- ※自律
- 自分で自分を律することができるようになること
まとめ|モンテッソーリ教育のメリット・デメリットについて
モンテッソーリ教育の本当の真実
- ①落ち着きのない子はモンテッソリー教育に向かない?
- →向かない子はいない。その子にぴったりの活動を思う存分行うことが大事。
- ②自由教育で社会性・協調性が育まれない?
- →幼児期は、個を確立して磨いていく時期。児童期になると、磨かれた個性が社会性として発揮される。
- ③室内の活動で運動量が減る?
- →どの園も外の活動の時間を設けているところがほとんど。心配なら、習い事や休日に体を動かす活動をやってみては?
- ④使い方が決められた教具のため想像力が育まれない
- 使い方が決められているからこそ、間違いに自分で気付くことができ、工夫して挑戦できる。
- ⑤教育施設に限りがある。質はピンキリ。
- 対策は、事前によくチェックする。近くにモンテ園がない場合はおうちモンテを行うこともオススメ。
モンテッソーリ教育のメリットについて
- 個々に合った活動を行うことで個性が伸びる
- 自分のやりたい活動を思う存分できるので心が安定する
- 手先が器用になる
- 脳が鍛えられる|判断力・思考力・感情コントロールを育む
- 年齢に関係なく仲良くなることができる
どのような物事でも、メリット・デメリットは表意一体。コインの表・裏のようなものだと思います。
私は、どちらも認識したうえで、我が家に合う方法でほどよく、おうちモンテを取りいれています。
いろいろな感じ方・価値観があって当たり前。様々な視点で物事を柔軟に見てゆける人間でありたいなと思っています。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。